超異分野学会2019
昨日Twitterで超異分野学会の存在を知り、今日途中から参加してきて面白かったのでそのメモを。
- 新規テーマは海に漕ぎ出せば見えてくる~未探索のフィールドから生まれる研究と事業の種~
- 海底AIマップ作成オープンプラットフォームの構築
- ゴミを有用資源へ
- 環境循環型バイオセメントアマモスポット
- テクノロジーで拡張する美味しさの世界
- Metaphysical VR(櫻井先生)
- 分子調理学(石川先生)
- 超異分野の可能性
- 知識の源流を探る~分野の壁を超えることは価値ある着想を生み出しえるのか~
- 応用健康科学、ストレス評価研究(大平先生)
- 霊長類研究所(今村先生)
- ポスター発表
新規テーマは海に漕ぎ出せば見えてくる~未探索のフィールドから生まれる研究と事業の種~
確かに海って宇宙に比べて研究の話を聞かないなーと思いながら聞きに行きました。
AUV、生物を使ったマルチプラットフォームによる測深・環境・生態観測システム
バイオロギング
バイオロギングは動物に計測&データ保存装置をとりつけて環境を解明しようという方法で移動を勝手にしてくれるのでコストがかからないものの回収が大変。
従来は装着生物ごと捕獲するのですが、海中を自律航行する小型水中グライダーを使って生物に接近させ、音響通信により位置とデータを取得するという研究を。
生体の微弱な電気を検知することで捕食など重要イベントのみ計測することも行われているとか
海底AIマップ作成オープンプラットフォームの構築
大型の調査船ではなく小型漁船、レジャーボートを活用してデータを収集しようという試み。
全体像
航跡とそのソナー情報を紐づけ
ドローンボート
Ardupilotというオープンソースがある。漁船が通れないところの補完に
深海は無線ROV艦隊とドローンを協調稼働させる。
ゴミを有用資源へ
雑海藻
加齢とともにアミロイド病 アルツハイマー、パーキンソン病など。アミロイド繊維というタンパク質のの凝集体が原因。海藻由来のある成分がこのタンパク質の凝集を抑制することが分かった。
マグロの動脈球
エラスチンというコラーゲンを支える繊維を含む。エラスチンは年齢とともに減少して皮膚が硬くなり皺の原因になる。
温度依存性があるので機能性素材にも
環境循環型バイオセメントアマモスポット
バイオセメント
微生物の代謝により発生する炭酸イオンがカルシウムイオンと反応して炭酸カルシウムを作り出す。これが砂粒子同士をつなぎ合わせる。 結合はもろいので、種子を内包して投下するといずれ崩れる。人工物を海底に残さない。
テクノロジーで拡張する美味しさの世界
味覚センサ(都高先生)
若いほど苦いコーヒーが好き 若いほど苦い
代替材料
病院食などで代替材料を考える時に、うまみなどのデータを参考にする
Metaphysical VR(櫻井先生)
VRによる食認知、食行動の変化
調理映像を掲示すると美味しさが変化する
時計の運針速度抑制による早食い防止 (→時計の針を早く回した映像を提示しながらのタイピングテストで、エラー量や主観的疲労度は変わらず入力文字数が上昇したという発表で受賞されていました。おめでとうございます)
コミュニケーションを豊かにするVR
ソーシャルタッチ効果(男性同士だとダメ。女性の声に変えるだけでも良い)
このあたり僕の興味にも近いので話をもっと聞きたい…
分子調理学(石川先生)
食品学、調理学をより細かいレベルで
料理の構造的な形状に着目してモデル化。
ティラミスの式
式の改変により新しい食品
天ぷら
天ぷらの油はどうなっている? →表層にしか浸透していない。
煮物
煮物は冷やすと味が染みるというわけではなさそう
超異分野の可能性
- 民族文化ごとにおいしさの平均値があり、個人単位で見るとそこから多少のズレがある
- 構造が大事。視覚で触覚が変わるクロスモーダル
- 見た目によって影響されるのは糖酸比が近いもの
- 美味しいと思うものは、唾液がよくでて飲み込みやすくなる →介護において味覚が重要になってくるのではないか
知識の源流を探る~分野の壁を超えることは価値ある着想を生み出しえるのか~
アカデミアと産業界がどう連携していくのか、将来の変革をもたらしうる新しい技術・知識に至る研究がどのようなきっかけから生まれるのかのトークがありました。主催のリバネスのCOOの方がオーガナイザーとしてトークが進んでいったのですが、リバネスの理念に共感しました…
日本の研究.com
修士や博士の研究の仮説は研究者登録されておらず、ここには現れてこない →リバネス研究費
アカデミアと産業の関わり方
企業の人が研究室のゼミに参加して、どの論文を選ぶか、どうまとめるかに先生のフィロソフィーをみることができるのではないか
敷居の低い交流の場所を
特許の読み方をアカデミアに教育にきてもらう
仮説から
科研費で多くの仮説が消えていく 少額で多くの支援を
IPS(南先生)
無限のiPS
なぜ心臓か?
低コストな培養液
培養液がサイトカインなどタンパク質などが高コスト 化合物により安定で低コストに
応用健康科学、ストレス評価研究(大平先生)
農→医→工→教育などいろいろな学部で研究をされた方 ⇒医学部、工学部、教育学部で同じことをやっていることがあり、ある学部では分からないと思われていることが他の学部の知見から解決することが
睡眠の質を簡単に評価したい
新機軸を加えて、統合的に観察を
今までは脳波からの研究が主流→ホルモンの切り口から
睡眠の直後に高くなる物質が存在する
霊長類研究所(今村先生)
iPS細胞で出来ること
最終産物を得る 発生過程を知る →再生医療、創薬以外にも進化研究を
ヒトの特性を知りたい
分野横断の障壁
分野をまたぐとき、一番のハードルは理解(研究費の申請も40連敗) →リバネス研究費(実績のない基礎研究なのに)、企業の方から
ポスター発表
工事中
ナッジによる省エネルギー行動誘発に向けた情報デザイン法の構築
- ナッジ…強要することなく行動を促すこと